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センシュアルバチャータの技だけでは一曲踊りきれない

更新日:2022年11月22日

まず初めに、私のクラスでも必ず前置きしていることですが、ダンスにおける表現は自由であり誰かの意見に常に制約されるされるべき種類のものではないため、あくまで1個人の意見に過ぎない点を共有させてもらいます。


バチャータがバチャータとして成立するための条件は何か

これには教科書的には狭義には、5つの楽器(ベース、レキント、セグンダ、ボンゴ、ギラ)が揃い、ことがよく取り上げられると思いますが、それらを全てを使用していないケースの曲が多数存在してることは事実ですし、日常の中でそういった曲を私たちは何度も踊っています。よって狭義にバチャータを定義してしまうと、バチャータを踊れる部分が相当限られてしまうため、5つの楽器がない部分においてもバチャータの骨格を残している部分を広義のバチャータと定義すると、

最近バチャータの曲の中には広義のバチャータが成立している箇所と成立していない箇所に大別されます。

そしてバチャータが成立している箇所はリズムで3つのリズムに大別されます(デレチョ、マハオ、マンボ)。

バチャータの曲は1曲の中で広義でのバチャータの条件を満たしていない部分が多く存在しています。

最近ではこの傾向が顕著であり、他分野のジャンルがこのスペースを埋めてきており、バチャータというジャンルの踊り方にとらわれない踊り方も非常重要になってきています。


しかしながらバチャータの中途半端なリミックスをするDJはバチャータに必要な要素を十分加味せずに楽曲を作成し、それがDJによってパーティで採用されてしまう、厳密にはバチャータとは呼べない類の曲を踊らざるをえないという場合に陥ってしまいます。

こういった曲はそもそもバチャータではないので、センシュアルのムーブメントで1曲踊らざるを得ないケースが出てきますし、スペイン語の楽曲があまり浸透しておらず、浸透が進んでいるポップな英語の楽曲のリミックスを多用するDJによくある落とし穴かと思います。

英語の楽曲をベースとしたリミックスでもバチャータとして成立していないものが多数Youtubeに出回っているのは事実です。こういった曲をセンシュアルっぽい曲と勘違いしてしまい、センシュアルバチャータ=音楽のジャンルと勘違いしている人が多いのが事実です。


ではバチャータとして成立している部分はどこなのか

これはあくまで個人としての意見ですので、確立された音楽理論に基づいているわけでもありませんが、バチャータの全ての楽器の全てのリズムを一応はDJとして理解しているつもりですので、その前提で話を続けると、


バチャータの骨格が広義に成立するのは


1ボンゴ・ギラ・ベースギター の3つがバチャータのリズムを刻んで切る時

2ボンゴ・ギラ・セグンダギターの3つがバチャータのリズムを刻んでいる時

3ボンゴ・ギラ・レキント(リードギターのリズム)がバチャータのリズムを刻んでいる


この3つのどれかの時にバチャータとしての骨格がバチャータのステップにマッチする時だと思います。特に1がメインになるかと思います。

また、バチャータのリズムを刻んでる(デレチョ・マハオ・マンボのいずれか)ことが必要で、ベースギターが単音で4カウントを埋めている場合などはこれに該当しないことになります。


狭義には、5つの楽器(ボンゴ・ギラ・ベースギター・レキントギター・セグンダギター)と言われていますが、モダンな楽曲ではセグンダやレキントが省略され他の楽器に置き換えられてる曲がたくさんあります。

よって、セグンダギターやレキントによるリードギターはあると更にバチャータぽさが増すということはありますが、ベースギターと比較すると絶対必要なものでは現在のモダンバチャータに関しては無くなってきていると多います。


基本的に私がリミックスを作成する時にはセグンダギターも入れ込む場合と入れ込まない場合があります。セグンダギターの1カウント目のベース音は基本的にベースギターと同じですので、基本的にはベースギターとセグンダギターはお互いを補完しあっており、どちらもないとバチャータを踊るために必要なエッセンスがなくなるわけではないかと思います。


センシュアルバチャータというジャンルは音楽には存在しません

勘違いしている人も多いと思いますが、センシュアルバチャータは音楽のジャンルではなく、ダンスの1ジャンルです。またバチャータの中でもフュージョンと並んであたらいい部類の派生系です。しかしながら、バチャータ楽曲が積極的に他のジャンルからの統合を図ったことから、このダンススタイルが生まれるきっかけとなりました。

よって、あくまでセンシュアルバチャータの基本的な技の多くは、多くのバチャータの楽曲の一部には適していても、全体として、センシュアルバチャータのみで踊れる曲は非常に少ないです(もちろん踊りは個人の自由なので、センシュアルバチャータのみで踊ってもいいかもしれませんが)


センシュアルバチャータは楽曲の表現の幅を広げるためのツールの一つ

センシュアルバチャータのムーブメントを取り入れることによって、歌詞の内容、メロディなどをより幅広く表現が可能です。特に現在の多くの楽曲の20%−50%の部分がバチャータが成立していない部分や他のジャンルのリズムが取り入れられるため、そこにユーティリティー性の高いセンシュアルムーブメントがマッチするケースが多いです(必ずしも相当は限りません)

例えばロサリアのEl panueloのイントロや2分59秒から始まる。ここでバチャータのステップを踏みたいと思う人は全くいないと思います。

ここにはフラメンコの要素やセンシュアルバチャータのムーブメントが合うことはどんなに伝統的なドミニカンバチャータを支持している人からも否定できないのではないかと思います。もちろん、楽曲の全てがバチャータでないとバチャータとは呼びたくないという人もいるかもしれませんが、そういう考え方ももちろんあると思います。

少なくともこういった部分を踊ることが好きな人も多いと思います。




センシュアルバチャータのムーブメントのやりすぎは飽きる、正直なところ

正直個人的にはセンシュアルバチャータのムーブメントのやり過ぎは踊ってる本人も飽きますし、センシュアルだけではリーダーフォローワー共に曲の中に存在するエネルギーの違いを表現することが難しいです。もちろん、エネルギーのアップダウンの少ない楽曲では問題ないかもしれませんが、最近ではもっとドラマチックで曲がジェットコースターのように駆け巡る楽曲が多いので、センシュアルムーブはそんな場面にまさにとっておきたいムーブメントです。


バチャータのベーシックを疎かにすると上達はない。

センシュアルバチャータを極めたところで、楽曲がそれを求めてるのはあくまでも1部に過ぎません。

バチャータを1曲踊り切るには、多種多様なベーシックのフレームワーク、ヒップのスタイル、胸のスタイル、肩のスタイル、タップの種類などを変えられることが非常に上達です。


ベーシックを疎かにしてセンシュアルバチャータのムーブメントのみに走ると必ずこの壁にぶち当たります。

バチャータのルーティンを学んでもこの基礎は一向に上達しません、とは言え基礎の練習は人によってはつまらないので、上達を目指す中上級者が一周回りきってから帰ってくるケースがほとんどかなと思います。

その人のステージに応じて、何を教えるべきなのかとういうことが大事なので、ベーシックを絶対にやるべきとも私は思いませんし、センシュアルバチャータが楽しい人はまずはセンシュアルをマスターしてからベーシックに帰ってきても全く問題ないのではないかと思います。バチャータを学ぶ道のりは長い道のりですし、音楽も皆様の成長よりも早いスピードで進化しています。


これからも音楽を楽しめるダンスをきちんと教えられるインストラクターになれるよう精進していきます!



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